月7冊の読書をして圧倒的に突き抜ける私が思う読書バリアフリー

本を読むという行為は、私にとって心身を守る行為であり、武器を得る手段であり、世の中を生きていくために必要不可欠でした。もちろん今もそうです。

 

自分が必要不可欠であると感じているもの。それが読書。
その読書という行為を得られない人がいる、あるいは得るという選択肢がそもそもないという人がいる。というのは、常々うっすらと感じてはいました。

 

ある日、図書館で出会った本がこちら。

 

LLとはスウェーデン語のLättläst(レットレースト)の略語で「やさしく読みやすい」という意味。もともとLLブックという、文字や文章を読むことが苦手な人に向けた本があり、そのマンガ版について研究されたのが上記の本です。

 

そして、こちらが日本初のオリジナルLLマンガです。私が描きました。


図書館で「LLマンガへの招待」を発見し、読み、感動した私は、帰宅してすぐに出版社である樹村房さんへ電話をかけるという暴挙に出ました。
幸い、好意的に迎え入れてくださり、あれよあれよという間に出版が決まりました。ありがとうございます。

 

本を読むことができないというのには種類があって、目が見えない、本が持てないなどの物理面とでも言えばいいのでしょうか、点字本や電子書籍にするなどハード面を変更することで解決が見込めるものが一つ。もう一つは、文字や文章を理解することに困難を感じる場合で、またこちらも文字は読めないけれど音声や補助があれば理解できるものと、知的障害などがあって理解に困難が生じるものがあります。

 

LLマンガは知的障害などがあって従来の表現方法で描かれたマンガを楽しむのは難しい、という方を現時点でのメインターゲットとしています。もっと発展することでさまざまな可能性はあるかと思いますが。まずは、というところですね。

 

芥川賞作家の市川沙央さんのご活躍により「読書バリアフリー」という言葉が以前よりは広く世の中に認知されるようになりました。
読書というのは素晴らしいものである以上に、ライフラインに近いです。それを一部の人たちだけのものにしておくのは、シンプルに良くないです。

 

今まで読書やマンガを楽しむという経験から弾かれてきた人たちに少しでも楽しんでもらえたら。そんな気持ちでLLマンガを執筆、刊行しました。

 

これからも続々と描いて、本という形にしていけたらと思っています。
がんばります!